「日本は居心地が良すぎる」

日経ビジネス2020年1月6日号編集長インタビューから。
米国マイクロソフト副社長 平野拓也氏(49歳)。

ビルゲイツが築いたWindowsを中心としたOS事業から、Office365などのクラウド型ビジネスモデルに大きく方向転換したマイクロソフト。その日本法人社長から本社の副社長に抜擢された平野さんのインタビュー記事は現在コンフォートゾーンにいとどまっている日本企業にとって耳の痛い話。

—米国から改めて日本を見るとどう感じますか?
 「日本は居心地がいいですよね。日本は社会のサービスレベルは高いし、食べ物もおいしいし。苦労はたくさんあるけれど、身に迫って感じるものは比較的少ないでしょう。仕事も大変ではあるけれど「仕方がないよね」というあきらめがどこかにある。居心地がいいから、結局同じことをやり続けてしまう。

会社の飲み会にありがちな“これが嫌だ”“困った”という愚痴も、状況を説明しているだけです。そこからどうしようかとか、こうしたらいいんじゃないかといった次の手につながりにくい。居心地がいいので、別に明日、どうにかなるわけじゃないですからね。

—日本も、日本企業も居心地が悪いくらいにならないといけないのかもしれませんね。もっと成長していくには。
 「そうですね。日本で社長をやっていたときは、コンフォートゾーンを自分から壊していくんだ、と社員にずっと問いかけていました。ほかの人に潰される前に、居心地のいい場所を一つ一つ壊していく。それがリーダーの仕事でもあると思いますし、それを許容する社風がないと、会社は変わっていかないと思います。

マイクロソフトという巨大企業の経営者の記事なので、私たち一般人がこういう記事を読んでも
「そうそう、やはりこういう経営者がいないとね〜」
となりがちです。

でも、そう言ってしまう裏には、
「自分にはそんなことできない。変わりたくない。」
という自己防衛意識があります。

事実、それはマイクロソフトの中でも起きたようで
「そんなのは難しい、大変だ、無理だ」という声もあったようです。

そのためにマイクロソフトでは、上司が部下に出す指示の仕方を変えるために、コーチングを導入し、部下の自発的な考えを引き出すことを重視。
変化で大切なのは、気づきです。セルフアウェアネス(自己認識)。変わらなければいけない、変わろう、ということが自分にとってどういう意味があるのか。そこを認識しなければ、なかなか変われない。でも、そこが分かれば、人は変われると思うんです。

示唆に富んだ記事です。

【実践コンフォートゾーン】

  変わるためには
   居心地のいい場所を一つ一つ壊していく。


  

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この記事を書いた人

有限会社ブランディングハウス代表取締役
コンフォートゾーン研究所所長

1964年6月5日生まれ。神奈川県川崎市出身。
1987年明治大学商学部卒業後、日経BP社に入社。
日経パソコンの販売で成功し、特別社長賞を受賞。
2004年に有限会社ブランディングハウスを設立し、自己変革プロデューサーとして活動。
2018年に「コンフォートゾーン研究所」を設立し、自己意識変革の研修・講演を実施。2023年から臨床心理士資格を目指し勉強中。

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